北海道活性化のはずが

浜田輝男氏は北海道活性化のための新規参入とも言っていた。北海道を行き来する交通運賃を下げることにより、道内での消費の売上げ、また増客での経済繁栄まで見越しての発言であった。しかし、これを否定する現象が、格安ツアーの存在だ。エア・ドゥの新規参入により、搭乗率を大きく下げた大手各社が、客を集めるために、航空チケットとさほど変わらない値段でツアーなどを組んできたのである。

また、エア・ドゥの資金繰りの悪化に対し、資金を導入したのは「道」自体であった。北海道の大手企業は少々の支援はしているものの、やはり強力なバックがおらず、赤字経営となっていたエア・ドゥを助けるのが道ということになり、エア・ドゥが道の財政を苦しめている状態になっていたのである。その北海道の融資は無利子融資だたり1.1%の貸し付けなど、ほとんど損得抜きでエア・ドゥを支えるための資金投入になるとともい、赤字でどうしようもなくなる会社へのそういった協力に批判をするものや、「選挙へのアピール」ではないかというこえさえ上がる始末であった。

ただ、道内の会社ではエア・ドゥの利用により年間90万円の経費削減をしたという会社もあり、エア・ドゥの恩恵を受けた会社があったのも事実であった。また、エア・ドゥが就航した翌年の航空利用率は前年より7ポイントも増加しており、エア・ドゥ参入による値下げ戦争が客を呼び寄せたのも間違いないのではないだろうか。


エア・ドゥ就航1周年の日の北海道新聞記事
 ◇大手の包囲網
 しかし、無風状態だった航空業界に運賃競争をもたらしたエア・ドゥは、大手が三月から設定した特定便割引(特割)運賃に反撃され、ほんろうされ続けた。
 エア・ドゥの1999年9月中間決算は営業赤字が当初見込みの倍額の六億円、最終赤字は12億円になる見通し。さらに、整備を委託している日本航空の委託料値上げ問題などが追い打ちをかけ、赤字体質からの脱却は容易ではない。
 整備委託の料金値上げには「露骨な新規参入いじめ」との声も。日本航空幹部は「最初の一年は社会的な風潮を踏まえ安くした。エア・ドゥはそれなりの乗客を集めており、それを踏まえた適正な価格を求めているだけ」と弁明する。
 エア・ドゥは、来年7月の羽田空港の発着枠の増枠と同時に2号機を就航させ、一日3往復から6往復に増便する計画。さらに今月中旬、公正取引委員会が、新規航空会社を排除しないよう大手に求め、さらに羽田発着枠の優先配分を運輸省に要請するなどの「追い風」も吹いてきた。
 しかし、ドル箱路線で地方の赤字路線を補う大手にとってエア・ドゥの増便は痛手。早くも「ほぼ全便をエア・ドゥ並の価格にそろえる」(大手航空会社幹部)と徹底抗戦の構えを見せる。

◇自由競争の功罪
 米国では、1970年代後半の航空自由化後、200を越える新規航空会社が誕生。しかし、その大半が大手との運賃競争に敗れ、次々と姿を消していった。

 米国2位のアメリカン航空は、テキサス州内の同じ路線を発着するライバル会社に対抗して大幅値下げを断行。ライバルの撤退後、一転して五割もの運賃値上げをに踏み切った。これは今年2月に独禁法違反で提訴されたが、日本国内でも、仮にエア・ドゥが撤退すれば、新千歳―羽田間の運賃が再び上昇する可能性を大いにあり得る。

 エア・ドゥの価格優位性が揺らぐ中、浜田輝男新社長は「いかにエア・ドゥを選んでもらうかという点に、人も金も投入する」と述べ、企業の存続に意気込む。「航空運賃の低額化で、札幌―東京間の経済距離を縮める」との夢を掲げて新規参入したエア・ドゥ。二年目以降も、逆風の中でのかじ取りとなりそうだ。